取引所間で暗号資産(仮想通貨)を移動するときに、できるだけ手数料を抑える方法について。
実際に5000ドル相当の仮想通貨(暗号資産)を送金したときの感想なども書いています。
この記事で伝えたいこと
- 手数料を抑えるにはどの通貨で送金するのがいいか
- XRPなどのアルトコインは送金手数料は安いが、スプレッドが高い
- 日本の取引所ではアルトコインの売買スプレッドが超高い(約5%)
- 高額を送金する場合はBTCで送金したほうがいい場合もある
- フィアットやBTCで保管したい場合は、両替スプレッドに要注意
実際にBINANCEからbitFlyerに高額を送金して分かったことがあったので、補足的に追記しています。
海外取引所から国内取引所に仮想通貨を送金するとき送金手数料や、取引所スプレッドについても説明します。
仮想通貨の高額送金の手数料というマニアックな解説ですが、実践データは今でも少ないため、ネットでも貴重な情報だと思います。
よくお読みになって、ご自身の資産管理にお役立てください。
結論:高額の場合はBTC、少額ならアルトコインでOK
先に結論から書きます。
ある程度の高額(10万円以上くらい)の仮想通貨を国内取引所に送金するなら、BTCのままで送金するのが無難です。
少額の場合ならアルトコインの方が安い場合もありますが、国内取引所のスプレッド(価格差)は予想以上に大きいためです。
注意するべきは、取引所のスプレッド(売買の価格差)です。

ビットコインは送金手数料が高いからね、アルトコインに替えてお得に送金♪
多くの人がそう考えますが、ここに落とし穴があります。
場合によっては、送金手数料より「両替スプレッド」のほうが断然高いです。
そのため、「アルトコインにして送金した方がお得」と一概にはいえません。
XRPなどのアルトコインをJPYやBTCに換金するスプレッドの方が送金手数料より高くつくことになります。
国内取引所ではアルトコインの取引は「販売所形式」が主流です。
販売所はスプレッド(販売手数料)がかかり、高額の場合はとんでもない額になります。
結果的に送金手数料よりも何倍も高くなることがあるため、注意してください。
BINANCEからbitFlyerに$5,000送金する

管理人が実際に海外取引所から国内の取引所に送金して、送金手数料やスプレッドがどのくらいかかったのか、実際の事例を紹介します。
仮想通貨のポートフォリオ、BINANCEやBSC(バイナンス・スマート・チェーン)の比率が高くなっていることが以前から気になっていました。
「資産は分散するのがリスク管理の基本」ということで、国内にいくらか移すことにしました。
事例:BINANCE→bitFlyerに$5,000送金
「BINANCE→bitFlyerへ$5,000ぶんのビットコインを送金する」という、けっこうマジな送金です。笑
BSC上のステーブルコイン(ドルと同じ価値がある仮想通貨)を、国内のメイン取引所であるbitFlyerに送金し、BTCで保有するというミッション。
以下のような手順を想定しています。
- BSC上で保有しているトークンを送金
- ステーブルコインに替えてBINANCEに送る
- ステーブルコインをBCH(ビットコイン・キャッシュ)に換金
- BCHをbitFlyerに送金する
- bitFlyerでBCH→JPYに換金
- 換金したJPYでBTCを買う
今回、送金に使うコインはBCH(ビットコイン・キャッシュ)を選びました。
アルトコインは全般的に送金手数料が安く、bitFlyerで扱われていれば他の通貨でも問題ありません。
今回はBCHを選びました。(なんとなく良いイメージを持っていたため)
他にも手数料がもっと安い方法もあると思いますが、今回は実験的にこのようなルートで送金しました。
アルトコインで送金するときの問題点
高額(10万円以上)の送金をする場合は、アルトコインをl使わないほうがいいです。
送金手数料の差額よりも、スプレッド(換金手数料)の方がめちゃくちゃ高いため、アルトコインで送ると結果的に損をすることになるからです。
BTCで送金するか、スプレッドのかからない国内取引所で受け取るのが、手数料が比較的かからない方法です。
(そのままアルトコインで保管したい場合は、この限りではありません)
BSCのDeFiから国内の取引所へ資産を移動する
順番に検証していきます。
PANCAKESWAPというDeFi(分散金融)で運用していた「LPトークン」を$5,000ぶんBINANCEに送金します。
BINANCEでBUSDに変換する
預け入れていたLPトークン「BUSD-VAI」をリムーブして(すべてBUSDにする)、それをBINANCEに送金します。
BSCはスワップ(両替)や送金を何度やっても、手数料は安いです。($0.5くらい)
BUSD→BCH(BINANCEで換金)
BINANCEからbitFlyerへの送金は、BCH(ビットコイン・キャッシュ)を選択。
送金手段はアルトコインがいいと聞いたことがあったので、特に調べもせず選択しました。
BTCで送る場合の送金手数料は0.0005BTC。(2021年時)換算すると4,000円くらい、まあまあ高いですね。
- 手数料が安い
- bitFlyerで取扱できる
- bitFlyerの口座にごく少額残っている
といった理由からBCHを選びましたが、XRPやLTCでも手数料は同じくらいです。
(2025年追記:BTCの価格は2021年当時よりもかなり値上がりしました。しかしBTCの送金手数料も下がったため、実際の金額は以前とそれほど変わりありません)
BCHをbitFlyerに送金

手数料は一回あたり約70円ちょっとでした!
テストを含めて2回送金しても150円以下。ビットコインとは比べものにならないくらい安いですね。
bitFlyerでの着金確認に時間がかかる

bitFlyerの口座に着金が反映されるまでに4時間以上かかりました。
理由は不明ですが、おそらく額が大きいため確認に時間を要したものと思われます。
AM10:00くらいに送金して、着金確認できたのは14:30くらいでした。
この間に価格が変動すると損失になる可能性があります。
bitFlyerでの手続き
ようやくBCH着金。続いてbitFlyer側での処理に進みます。
- BCHをJPYに替える
- JPYでBTCを購入
BCHをいったん日本円に替えた理由は、bitFlyerではそれ以外の方法がないからです。
bitFlyerのアルトコイン取引は販売所のみのため、アルトはJPY(日本円)経由の取引しかできません。
そのため、BCH→BTCに直接はトレードできず、間にBCH→JPY(日本円)の取引を挟むしかありません。
スプレッド5%がデカい!
ここで、bitFlyerの販売所スプレッドが超高いことに気づきます。
bitFlyerでのBCHのこの時点での販売価格は1BCH=75,000くらいなのに、売却価格は71,000くらい。(2021年当時)
「買う」と「売る」では4,000円くらい(5%)違います。

これがスプレッド(価格差)か…
扱う金額が大きい場合、5%は大きいです。
換金の段階で、ようやく気づきましたが、もう手遅れでした。
アルトで送金してせっかく手数料を浮かせたのに、それ以上のスプレッドがかかってしまいました。
偶然のラッキー
ただ、今回は偶然のラッキーが起こりました。
bitFlyerで着金待ちをしている間に、ビットコイン・キャッシュの価格が跳ね上がって、スプレッドと同じくらいの含み益が出たのです。
短時間に約10%の高騰。
今回は手数料とスプレッドの実験なので、計算が混乱しました。(増えたので結果オーライ笑)
JPY→BTC
円でBTCを購入。ビットコインを買うときはスプレッドなし(「取引所」が使えるため)。
これでミッション完了です。
スプレッドで3万円も損した!
今回は着金確認待ちの間に値上がりするというラッキーが起こりましたが、5%のスプレッド(取引手数料)は丸ごと失うことになります。つまり損金。
$5,000の5%なので、$250。
なんと28,000円です。
つまり、4,000円くらいの送金手数料を浮かそうと画策した結果、換金スプレッドで30,000円近い損をしてしまいました。
結論;高額の場合はBTCかETHで送金しよう!!
これを読んだみなさんは、私のようなミスをしないように気をつけてください。
もう一度言います。
送金手数料より、販売所のスプレッドの方が断然高いので、高額送金する場合はアルトコインでは送金しないようにしてください。
少額の場合はアルトでもOK
今回は高額の送金でしたが、少額の送金なら、アルトコインで送金した方が安い場合もあります。
比較するときの目安として、以下のどちらが低いか比較しましょう。
- BTCは一律0.005BTC(現在は変わってますよ!)
- アルトコインはスプレッドが5%
アルトのスプレッドは取引所によって違いますが、だいたいこのくらいかかると思っておけばいいでしょう。
1BTC=¥7,500,000の場合、5%のは¥3,750が手数料としてかかることになります。
つまり、75,000円ぶん以上の送金をする場合はBTCで送金した方がいいことになります。

この記事は2021年当時の価格やスプレッドです。
現在は大きく変化しています。(2025年に追記)
今後も価格や手数料は変化するため、都度計算して手数料が低い送金方法を選択するのが賢い方法です。
重要なのは、換金するときのスプレッドです。それが加算されることを忘れないようにしてください。