暗号資産(仮想通貨) 資産運用

【送金ミス】間違えて送金した仮想通貨は、絶対に取り戻せない?

間違えて送金した仮想通貨は、絶対に取り戻せない?

結論:原則として、間違って送金した仮想通貨は取り戻せない

ただし、状況によっては「取り戻せる可能性がゼロではない」ケースもあります。

以下に分かりやすく整理します。

誤って知らないアドレスに送金してしまった

異なるチェーンへの送金した仮想通貨はどうなるのか知りたい

こういったトラブルや疑問がある方はぜひ、当記事を最後までお読みください。

基本的に取り戻せない理由

前提として間違えて送金してしまった仮想通貨は、戻ってきません。

その理由は「ブロックチェーンが不可逆な仕組み」だからです。

不可逆というのは、「一度行われた取引が取り消せない」という意味です。

銀行取引と仮想通貨の送金の違い

ここで話をわかりやすくするために、銀行の取引と比較してみましょう。

銀行の振込であれば、振込先を間違えて送ってしまっても、戻ってくることも多いと思います。

場合によっては、銀行が介入して対応してくれることもあります。

しかし、ブロックチェーン上の取引は、中央管理者が存在せず、一度取引が完了すると誰にも操作を取り消すことはできません。

ブロックチェーンの取引では、たとえ操作ミスであっても「記録された取引」としてブロックに書き込まれてしまえば、戻すことはできません。

それを修正することは「記録の改ざん」とみなされ、システムに拒否されてしまいます。

この不可逆性はブロックチェーンの大きな特徴で、「防壁」として極めて有効なシステムです。

しかし一方で、間違いを許さない(取り消せない)という、自分の首を絞めることになる可能性も含んでいます。

そのため、送金の際には、慎重な取引操作が求められます。(少額で一度送金してみるなど)

取り戻せる可能性があるケース

ブロックチェーンは不可逆なシステムだから、誤送金したら絶対に戻ってこないわけではありません。

間違えて仮想通貨を送金してしまっても、取り戻せるケースがあります。

そのようなケースについて紹介します。

存在しないアドレスへ送金した

仮想通貨の送金先アドレスが実在しない場合、送金エラーが発生し、資産が戻ってくる可能性があります。

この場合は「戻ってくる」というより、そもそも送金できずに、資金がウォレットに残っているというのが正確です。

ただし、ウォレットの種類によっては、「そのまま消滅」してしまう場合もあり、ケースバイケースです。指定したアドレスが存在しなかったらといって、確実に戻ってくる保証はありません。

また、取引所から送金してエラーが出た場合は、取引所のサポートに問い合わせることで戻ってくる場合があります。

取引所に誤送金した

例えば「企業の入金アドレスに間違って別の通貨を送ってしまった場合」です。

取引所によっては、入金アドレスが統一され、着金後にしかるべき手続きがあってから個々のウォレットに反映されるケースも珍しくありません。

別のウォレット(たとえばMetamask)から送金する際に「誰のウォレットに送金するか」というメモなどを残して判別できるのですが、メモが間違っていると着金しない場合もあります。

ただし、このケースは戻ってくる可能性があります。多くの大手取引所では、カスタマーサポート経由でご送金に対応してくれる場合があります。

ただし、100%返金が保証されているわけではありません。また、手数料がかかることもあります。

送金した相手とコンタクトが取れるケース

相手と連絡が取れて、相手が協力的であれば、仮想通貨を返してもらえる可能性があります。

誤送金先が実際に使用されているウォレットの場合、そのウォレットの所有者と連絡を取ることで返還をお願いする方法があります。

ただし、相手が返還に応じるかどうかは保証されません。そもそも、連絡手段が見つからないこともあります。

自分が保有する別ウォレットに送金した場合

また、自分が所有する別ウォレットに間違って送った場合も、秘密鍵が分かっていればアクセスして戻すことができます。

取り戻せる可能性が低いケース

ここまでは、間違えて送金しても戻ってくる可能性があるケースについて紹介しました。

ここからは、残念ながら取り戻せる可能性が低いケースについて紹介します。

異なるネットワーク(チェーン)に送金した

ブロックチェーンには複数のネットワーク(チェーン)があります。

代表的なものとして、Ethereum(イーサリアム)、BSC(バイナンススマートチェーン)、Polygon(ポリゴン)などがあり、それぞれ異なるルールとアドレス形式を持っています。

多くのウォレットや取引所では、これらのネットワークが並行して利用できるようになっており、同じトークン(例:USDT)でも複数のチェーンに対応しています。

そのため、送金時にチェーンの選択を間違えると、正しいアドレスに送っていたとしても着金しない(もしくは表示されない)というトラブルが起きるのです。

間違ったブロックチェーンに送金した場合は、自分のウォレットでアクセスできるチェーンであれば復旧できる可能性があります。この場合も取引所やサポートへの相談が必要です。

完全に取り戻せないケース

最後に「完全にアウトな」取り戻す可能性のないケースについても紹介します。

このような誤送金では取り戻せる可能性はないと考えてよいでしょう。

他の種類の仮想通貨アドレスへの送金

他の種類の仮想通貨アドレスに誤って送金した場合、資産が完全に消滅します。この場合、復旧は不可能です。

秘密鍵を紛失したウォレットへの送金

誰もアクセスできないウォレット(秘密鍵を失ったものなど)に送金した場合、資産は永久に取り戻せなくなります。

まったく知らないアドレスに送金してしまった場合

相手が善意で返してくれない限り、戻りません。

対策:誤送金を防ぐために

  • 送金前にアドレスを何度も確認
  • 異なるチェーンでの送金に要注意(ETH↔BSCなど)
  • 少額でテスト送金
  • QRコードを使う場合も、読み取り結果をチェック

これらのことに注意して、慎重に行いましょう。

特に多額の仮想通貨を送金する場合には、必ず少額で送金テストをし、着金を確認した上で本送金を行うようにしてください。

テスト送金は手間も手数料もかかりますが、大事な資産が消滅しないために、必要な手段です。

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