暗号資産の送金を行うとき、多くの人が使っているのが「MetaMask(メタマスク)」というウォレットです。
しかし、「送金ボタンが見つからない」「手数料が高すぎる」「送ったのに届かない」といったトラブルに悩む声も少なくありません。
この記事では、MetaMaskを使った送金方法と手数料、よくある失敗例とその対処法まで、初心者にもわかりやすく解説します。
1. MetaMaskとは?

MetaMaskは、Ethereum(イーサリアム)をはじめとした複数のブロックチェーンに対応した「暗号資産ウォレット」です。
ブラウザ拡張機能(ChromeやFirefox)やスマートフォンアプリとして利用でき、DeFiやNFTのサービスと接続する際の“入り口”として広く使われています。
送金に必要な準備としては以下の2点があります。
- ウォレットの作成:MetaMaskをインストールし、パスワードとシードフレーズを設定。
- ネットワーク設定:ETH、BSC、Polygonなど、利用する通貨に応じたネットワークの選択が必要です。
2. MetaMaskからの送金手順
ETH送金の基本ステップ
例として、CoincheckにETHを送るケースを紹介します。
- 送信先アドレスの確認
CoincheckのアプリやWebで「ETHの入金アドレス」を表示し、コピーしておきます。 - MetaMaskを開く
通貨が「ETH」になっていることを確認し、「送信」ボタンをクリック。 - 送金情報の入力
宛先アドレスを貼り付け、送金するETHの金額を入力します。 - ガス代を確認し、送信
トランザクション手数料(ガス代)が表示されます。問題なければ「確認」を押して送金完了。
送金完了の確認方法
- MetaMask内の「アクティビティ」タブから、取引状況をチェックできます。
- 詳しく確認したい場合は、トランザクションID(TxHash)をEtherscanで検索すると、ステータスが表示されます。
3. よくあるトラブルと解決策
トラブル内容 | 主な原因と対処法 |
---|---|
送金ボタンが表示されない | 対象通貨を選んでいないか、ネットワーク設定が誤っている可能性があります。使用したい通貨があるネットワーク(例:Ethereum)に切り替えましょう。 |
送金できない(エラー) | ETHなどのガス代が足りない場合に発生します。MetaMaskに必要な分のETHを用意してください。 |
送金したのに届かない | 多くは「送信先とネットワークが違う」ことが原因です。ERC20のUSDTをBSCに送るなど、チェーンミスには要注意。 |
ワンポイント:送金前に「小額テスト送金」をしておくと、こうしたトラブルを未然に防げます。
4. 手数料比較と節約術
MetaMaskを使った送金には「ガス代」と呼ばれるネットワーク手数料が発生します。
ネットワーク別の手数料相場(概算)
- Ethereumメインネット:数百〜数千円(混雑時は高騰)
- BSC(Binance Smart Chain):数円〜数十円
- Polygon:数円程度
国内取引所との連携例
取引所 | MetaMaskへの送金手数料 |
---|---|
Coincheck | ETH入金手数料は無料 |
GMOコイン | 一部通貨で出金手数料が無料 |
節約のコツ
- ガス代は時間帯で変動:深夜〜早朝は比較的安い傾向あり。
- 混雑状況は確認可能:ETH Gas Stationなどでチェック可能。
5. 安全な送金のための注意点
大切な資産を守るため、以下の点に注意しましょう。
- アドレスは絶対に手入力しない
間違いがあってもブロックチェーン上ではキャンセルできません。必ずコピペ&確認。 - テスト送金でチェック
本送金前に少額(例:0.001 ETH)で試すことで安心感が増します。 - セキュリティ対策も万全に
フィッシング詐欺を防ぐため、MetaMask接続先URLや、取引所の本物のURLをブックマークしましょう。
6. 実践例:ETHとUSDTの送金
Case1:MetaMaskからCoincheckにETHを送る
- CoincheckでETH入金アドレスを取得
- MetaMaskでETHを選択し、送信先アドレスを貼り付け
- 送金額とガス代を確認して送信
Case2:BybitからMetaMaskにUSDTを送る
- Bybitで出金先チェーンを選択(ERC20かBSC)
- MetaMaskで対応チェーンに切り替え、アドレスをコピー
- USDTが表示されない場合は「トークンを追加」から手動で追加可能
7. まとめ

MetaMaskは、暗号資産の送受金やDeFi活用において欠かせないツールです。しかし送金時には、ネットワーク選択・ガス代・送金先アドレスの3点に特に注意が必要です。
まずは小額で試しながら、慣れていくことが最大のトラブル回避策です。不安なときは「Etherscanで状況を確認」「取引所サポートに問い合わせる」といった対処法も視野に入れましょう。