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BSCのDeFi銘柄TVLランキングTOP10【2025年】

Binance Smart Chain(BSC)は、手数料の安さと高速な取引処理を強みに、2025年も多くのDeFiプロジェクトが集まる主要チェーンの一つです。

この記事では、最新のTVL(Total Value Locked:預かり資産総額)をもとに、BSC上で注目すべきDeFiプロトコルTOP10を紹介します。投資先や利回りのヒントを探している方は必見です。

TVLランキングTOP10(2025年4月25日時点)

以下は、主要DeFiデータアグリゲーター(例: DeFiLlama)のデータを基にした、2025年4月25日時点のBSCにおける主要DeFiプロトコルのTVL(概算)ランキングです。

順位プロジェクト名TVL(概算)カテゴリチェーン数特徴
1Venus$1.622B貸借(レンディング)9BSCを代表するマルチチェーン対応の借入市場
2PancakeSwap$1.549B(内BSC $1.328B)DEX・ファーミング10BSC最大のAMM型DEX。BSC内TVLは圧倒的
3Lista DAO$748.86Mステーブル資産運用2成長著しい資産担保型プロトコル
4KernelDAO$669.63Mステーブル運用2利回り重視のDeFiプロトコル
5Stables Labs USDX$485.85Mベーシストレーディング4裁定取引による収益を狙うステーブル系
6Avalon Labs$339.77MクロスチェーンDeFi20マルチチェーン展開が特徴の革新的プロジェクト
7Binance staked ETH$333.94Mリキッドステーキング3ETHステーキングの流動性トークン
8Aster$286.07M不明(開示少)2比較的新興でデータ少なめのプロジェクト
9YieldNest$218.99Mリステーキング2リキッドリステーキングに注力
10BitFi$210.53M金融サービス全般4データの透明性は低いがTVLは上位

注: TVLは常に変動するため、最新の情報は各データソースでご確認ください。Million (M) / Billion (B) 表記を併記しています。

各プロジェクトの解説

1. Venus:BSC貸借の代名詞

Venusは、BSC上で最も歴史があり、信頼されているレンディングプロトコルの一つです。

ユーザーは保有する暗号資産を担保として預け入れ、別の暗号資産を借り入れることができます。ガバナンストークンXVSを持ち、独自ステーブルコインVAIをミント(発行)する機能も備えています。

9つのブロックチェーンに対応するマルチチェーン戦略も展開しており、BSC DeFiエコシステムの中核として今なお高いTVLを維持しています。

2. PancakeSwap:BSC最大DEX

PancakeSwapは、BSCを代表する自動マーケットメーカー(AMM)方式の分散型取引所(DEX)です。

トークン交換(スワップ)や流動性提供(ファーミング)、シロッププールでのトークンステーキングといった基本的なDeFi機能に加え、NFTマーケットプレイス、宝くじ、予測市場、IFO(Initial Farm Offering)プラットフォームなど、極めて多機能なプラットフォームとなっています。

BSCの顔とも言える存在であり、10チェーンに対応するなど、その影響力はBSC内外に及んでいます。

3. Lista DAO:急成長中の資産担保型ステーブルプロトコル

Lista DAOは、仮想通貨を担保として預け入れることで、独自の分散型ステーブルコインlisUSDをミント(発行)できるプロトコルです。

特にリキッドステーキングトークン(LSTs)などを担保として活用できる点が特徴で、ユーザーは資産の流動性を保ちながらステーブルコインを発行し、さらなる運用機会を探ることが可能です。

2025年に入ってからTVLを急速に伸ばしており、ステーブルコイン分野における注目株となっています。

4. KernelDAO:利回り戦略に特化したDeFiプロトコル

KernelDAOは、特にステーブルコインを中心とした資産運用において、最適化された利回りの提供を目指すプロトコルと考えられます。

具体的な運用戦略の詳細はドキュメント等で確認が必要ですが、複数のDeFiプロトコルや戦略を組み合わせて、ユーザーにリターンをもたらすイールドアグリゲーターのような機能を持つ可能性があります。

2つのチェーンで着実にTVLを集めていることから、安定した収益機会を求めるユーザー層に支持されているようです。

5. Stables Labs USDX:裁定取引ベースのステーブル戦略

Stables Labs USDXは、異なる市場やプロトコル間での価格差を利用するベーシストレーディング(裁定取引)戦略に焦点を当てたプロジェクトと見られます。主に独自ステーブルコインUSDXに関連する運用を行い、市場の非効率性を見つけて利益を追求することを目指しています。

4つのチェーンに展開しており、比較的低リスクで安定したリターンを狙う高度な運用戦略に関心のあるユーザーに適しているかもしれません。

6. Avalon Labs:広範なマルチチェーン展開が光る革新プロジェクト

Avalon Labsは、実に20ものブロックチェーンに対応するという、非常に広範なクロスチェーン展開を特徴とする革新的なDeFiプロジェクトです。

異なるチェーン間の資産移動(ブリッジング)や、チェーンを跨いだDeFi活動を容易にするためのインフラやサービスを提供している可能性があります。マルチチェーン化が進む現代のDeFi環境において、その相互運用性を高めるソリューションは価値が高く、今後の発展が期待されます。

7. Binance staked ETH (WBETH):ETHリキッドステーキングの選択肢

Binance staked ETHは、大手取引所Binanceが提供するイーサリアム(ETH)のリキッドステーキングソリューションです。

ユーザーは自身のETHをステーキングすることでステーキング報酬を得つつ、その証明として価値が連動する流動性トークンWBETH(Wrapped Beacon ETH)を受け取ります。

このWBETHは、他のDeFiプロトコルでレンディングの担保にしたり、流動性提供に利用したりできるため、機会損失を防ぎながらステーキングに参加できます。BSCを含む3つのチェーンで利用可能です。

8. Aster:情報開示が待たれる新興プロジェクト

Asterは、2025年4月現在、プロジェクトの詳細な目的や機能に関する公式な情報開示が比較的少ない新興プロジェクトです。

2つのチェーンで展開し、ランキング入りするほどのTVLを集めている事実は、特定のニッチな需要を満たしているか、あるいはコミュニティ主導で初期の成長を遂げている可能性を示唆します。

今後のロードマップ発表やプロダクトに関する詳細な情報公開が待たれるプロトコルです。

9. YieldNest:リキッドリステーキングの新潮流

YieldNestは、近年DeFi分野で大きな注目を集めている「リステーキング」、特にその流動性を確保する「リキッドリステーキング」に特化したプロトコルです。

EigenLayerのような基盤技術を活用し、ユーザーが預け入れた資産(多くはリキッドステーキングトークン)を再利用して、追加のプロトコル(AVSなど)のセキュリティに貢献し、その対価としてさらなる報酬を得る仕組みを提供していると考えられます。

新しい収益源を求めるユーザーから資金を集めています。

10. BitFi:多角的な金融サービス?要注視プロジェクト

BitFiは、「金融サービス全般」という幅広いカテゴリに分類され、4つのチェーンで展開しているプロジェクトです。

具体的なサービス内容(DEXアグリゲーター、レンディング、資産運用など)は多岐にわたる可能性がありますが、現時点ではその詳細や運営に関する情報の透明性が他のトッププロトコルと比較してやや低い側面があります。

しかし、TVLでトップ10圏内に入っている事実は、無視できないユーザー基盤と資金量を集めている証であり、今後の動向を注意深く見守る価値のある存在と言えるでしょう。

今後の注目ポイント

依然強いVenus・PancakeSwapと追随する中堅層

ランキングが示す通り、VenusとPancakeSwapは依然としてBSC DeFiエコシステムの基盤となる存在です。

しかし、Lista DAOやKernelDAOのような特定の分野(ステーブルコイン運用、利回り戦略など)に特化したプロトコルが急速にTVLを伸ばし、存在感を増しています。

トップ2の地位は揺るぎないものの、これらの中堅層や新興勢力の追い上げにより、BSC内の勢力図は徐々に変化していく可能性があります。

新興プロトコルの躍進

特筆すべきは、Lista DAO、KernelDAO、YieldNestといった比較的新しい、あるいは特定のトレンド(リキッドステーキング、リステーキング、効率的なステーブルコイン運用など)を捉えたプロトコルが短期間で高いTVLを獲得している点です。

これは、DeFiユーザーが常に新しい技術やより高い収益機会を求めていることの表れであり、今後も革新的なアイデアを持つプロジェクトが登場し、ランキングを変動させる可能性を秘めています。

クロスチェーン戦略の重要性

ランキング上位のプロトコルの多くが複数のブロックチェーンに対応している(マルチチェーンである)ことからも分かる通り、単一チェーンに留まらず、他のエコシステムとの連携や展開を行うクロスチェーン戦略は、プロトコルの成長とTVL増加に不可欠な要素となっています。

Avalon Labsのような広範な対応や、Venus、PancakeSwapが継続的に対応チェーンを増やしている動きは、ユーザーアクセスの向上とエコシステムの拡大に繋がり、今後もこの傾向は続くと考えられます。

まとめ

2025年現在も、Binance Smart Chain(BSC)は手数料の安さと処理速度を武器に、活発なDeFiエコシステムを維持しています。

長年の実績を持つVenusやPancakeSwapが高いTVLを維持する一方で、Lista DAOのような急成長中の新興勢力や、リステーキング、クロスチェーンといったトレンドを捉えたプロトコルが目覚ましい成長を見せています。

本記事のランキングや解説を参考に、BSC DeFiの最新動向を把握し、ご自身の投資戦略や目的に合ったプロトコルを見つける一助となれば幸いです。

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