NEMとSymbolの違い・共通点

暗号資産(仮想通貨)

NEM(XEM)とSymbol(XYM)の違いは?共通点や歴史をわかりやすく解説

NEMとSymbol、この2つの仮想通貨プロジェクトの関係性について混乱している方は少なくありません。

「NEMがXEMになった?」「XYMはXEMのフォーク?」

このような疑問をお持ちの方に、両者の違いや共通点を解説します。

この2つは「兄弟」のような関係で、同じルーツを持ちながらも異なる進化を遂げています。

XEMの保有経験がある方も、最近の動向を知らない方も、この記事でNEMとSymbolの全体像を把握しましょう。

NEMとSymbolの関係性

NEMとSymbolの関係性について初めて知る方や、過去にXEMを保有していたが最近の動向がわからない方向けに、両者の違いと共通点を解説します。

結論からいうと、NEMとSymbolは「兄弟」のような関係にあります。

SymbolはNEMの後継として開発されましたが、完全に別のブロックチェーンとして並行して運用されています。

フォークではない

SymbolはNEM(NIS1)の後継として開発されましたが、互換性はなく、完全なフォークではありません。

フォーク:既存のブロックチェーンが分岐して新たなルールやプロトコルを持つ別のチェーンが誕生すること

NEMは「UtopianFuture」という匿名の開発者によって立ち上げられましたが、SymbolはNEMコミュニティおよびNEM Venturesが主導しています。

両者は並行して運用されています。

ネットワーク(アルゴリズム)の違い

NEMとSymbolはブロックチェーンのネットワーク(アルゴリズム)にも以下のような違いがあります。

  • NEM: Proof-of-Importance(POI)
  • Symbol: Proof-of-Stake+(PoS+)

Symbol(XYM)が採用したPos+(Proof-of-Stake+)は、企業向けに最適化されたハイブリッド構造を持つブロックチェーンのアルゴリズムです。

トークンの特徴

XEMとXYM、それぞれのトークンの特徴は以下のようになります。

  • XEM: トランザクション手数料収益が報酬となる仕組み
  • XYM: 企業向け機能(マルチシグネチャ、アグリゲートトランザクションなど)を強化

次に、それぞれのトークンについて詳しくみていきましょう。

NEM(XEM)とは

NEM(XEM)とは

NEMは「New Economy Movement(新しい経済運動)」の略称で、2015年に正式にローンチされたブロックチェーンプラットフォームです。

その独自の仮想通貨であるXEM(ゼム)は、当初からすべて事前発行されており、発行上限は89億9999万9999枚に設定されています。

発足年・コンセプト・特徴
NEMは従来の仮想通貨とは一線を画す「Proof of Importance(PoI)」という独自のコンセンサスアルゴリズムを採用しています。

これにより、単に保有量が多いだけでなく、活発に通貨を使用するユーザーにより多くの報酬が与えられる仕組みを実現しました。

また、マルチシグネチャ(複数署名)機能も初期から実装されており、セキュリティ面での強みを持っています。

対応取引所
XEMは国内外の主要取引所で取引可能です。日本ではビットポイント、GMOコイン、DMM Bitcoinなどで取り扱われています。

海外ではBinance、Bitfinex、Huobiなどの大手取引所でも取引できます。

NEMなのかXEMなのか?

ネム(NEM)という言葉は、プロジェクト全体やブロックチェーンプラットフォームを指す名称です。

一方、XEMはそのNEMプラットフォーム上で流通する暗号資産(仮想通貨)の名称であり、いわば“通貨の単位”のようなものです。

「ネム(NEM)はプラットフォームの名前で、ゼム(XEM)はその中で使われる通貨名です。

これは「イーサリアム(Ethereum)」と「ETH(イーサ)」の関係と似ており、プラットフォームとトークン名が分かれているのが特徴です。

この違いが混同されやすい理由のひとつですが、実際の取引所などでは「NEM(XEM)」と表記されることも多いです。

NEMは後継チェーンとしてSymbol(XYM)を誕生させていますが、「NEM」という名称自体が変更されたわけではありません。

Coincheck NEM事件

NEMが世界的に注目されるきっかけとなったのが、2018年1月に発生した「Coincheck NEM事件」です。

日本の暗号資産取引所「コインチェック」から約580億円相当(当時)のXEMが不正に流出しました。

この事件は仮想通貨業界に大きな衝撃を与え、日本の仮想通貨規制強化のきっかけともなりました。

Symbol(XYM)とは

SymbolはNEMの「後継」的存在として、2021年3月15日に正式ローンチされたブロックチェーンプラットフォームです。開発コードネーム「Catapult」として知られていたプロジェクトが完成したもので、NEMと同じ理念を継承しながらも、より高度な機能と拡張性を備えています。

創業年・背景
SymbolはNEM Group Ltd.が主導し、NEMの欠点を改善する形で数年の開発期間を経てローンチされました。

ローンチ時にはXEM保有者に対して1:1の比率でXYMがエアドロップされる形で配布されました。

ネットワークと特徴
Symbolの最大の特徴は、ハイブリッド型のブロックチェーン構造を採用している点です。パブリックチェーンとプライベートチェーンの両方の特性を活かし、企業や組織が利用しやすい設計になっています。

また、アグリゲートトランザクション(複数の取引を一度にまとめて処理する機能)やクロスチェーン対応機能など、ビジネスでの実用性を高める機能が多数搭載されています。

コンセンサスアルゴリズム

SymbolではNEMのPoIを発展させた「Proof-of-Stake+(PoS+)」というコンセンサスアルゴリズムを採用しています。これにより、取引の高速処理と安定したネットワーク運用を実現しています。

取扱い取引所

XYMはBinance、Bitget、Huobiなど海外の主要取引所で取引可能です。

日本国内ではbitFlyer、ビットバンク、GMOコイン、DMM Bitcoinなどで取り扱われています。

XEMとXYMの違いと共通点

比較項目XEMXYM
発足年2015年2021年
ネットワークNEMSymbol
コンセンサスProof-of-Importance (POI)Proof-of-Stake+ (PoS+)
主な用途個人・分散型決済企業向け(ビジネス特化型)スマート契約対応
主な特徴高速処理、低コストハイブリッド構造、プラグイン対応
相互関係-XYMはXEM保有者にAirdropされた

両者の共通点としては、開発チームの理念や基本的な設計思想が共通していることが挙げられます。

また、どちらも「使いやすさ」と「安全性」を重視している点も共通しています。

NEMとSymbolのフォーク関係

NEMとSymbolの関係は、一般的な「フォーク」とは異なります。通常、フォークはブロックチェーンが分岐し、元のチェーンの履歴を共有した状態で新たなチェーンが生まれることを指します。しかし、SymbolはNEMの技術的な発展形として開発されましたが、完全に新しいブロックチェーンとして設計されています。

起源と開発背景
NEMは2015年にローンチされ、分散型経済の構築を目指して開発されました。一方、Symbolは当初「Catapult」というコードネームで開発が進められ、NEMの大型アップデートとして2021年3月に正式ローンチされました。開発・運営はNEM Group Ltd.が担っています。

技術的な基盤
SymbolはNEMの設計思想を継承していますが、技術スタックは完全に刷新されています。NEMのPoIからSymbolのPoS+への変更も、単なるアップグレードではなく、コンセンサスの考え方から見直されています。

現在の状況
NEMとSymbolは現在も並行して運用されており、補完的な関係にあります。NEMはそのシンプルさを活かして個人ユーザー向けに、Symbolは高度な機能を活かして企業向けソリューションとして、それぞれ独自の市場で活用されています。

価格の推移と注目イベント

価格の推移と注目イベント

XEMの価格推移

XEMは2017年末から2018年初頭にかけての仮想通貨バブル期に大きく価格が上昇し、2018年1月には約2.3ドル(約250円)の最高値を記録しました。

しかし、Coincheck事件の影響もあり、その後は長期的な下落傾向に転じました。

2021年以降は市場全体の上昇に伴い一時的な回復を見せることもありましたが、以前のような高値には戻っていません。

XYMのローンチとその後

XYMは2021年3月15日に正式ローンチされ、当初は1XYM=40円前後でスタートしました。

ローンチ後の価格は変動しながらも、徐々に下落傾向となりました。

市場全体の動向や、Symbol上で開発される分散型アプリケーション(dApps)の進展によって価格は影響を受けています。

主な注目イベント

  • 2018年1月:Coincheck NEM事件
  • 2021年3月:Symbolローンチ、XYMエアドロップ
  • 2021年以降:企業向けソリューションとしてのパートナーシップ発表(複数の企業や団体とのコラボレーション)

今後の展望と投資の注意点

今後の展望と投資の注意点

両プロジェクトとも、時価総額のランキングは以前より下がっているものの、開発は継続されています。

特にSymbolは企業向けソリューションとしての活用が広がりつつあり、実用性の高さから今後の発展が期待されています。

投資判断のポイント

  • NEMとSymbolの技術的優位性と実用性を理解する
  • 両プロジェクトの開発ロードマップをチェックする
  • 企業や団体との提携状況を確認する
  • 市場全体の動向との関連性に注意する

投資判断は必ず自己責任で行い、十分な調査(DYOR: Do Your Own Research)を行ってから判断することをお勧めします。

まとめ NEMとSymbolは「別物」=兄弟のような関係

NEMとSymbolは「別物」=兄弟のような関係

NEMとSymbolは「兄弟」のような関係にあり、同じルーツを持ちながらも、それぞれ異なる市場や用途に向けて発展しています。

NEMはシンプルで使いやすい個人向けの分散型経済基盤として、Symbolは高度な機能を備えた企業向けブロックチェーンプラットフォームとして、それぞれの強みを発揮しています。

仮想通貨市場に新規参入する方々は、NEMとSymbolの関係性を混同しがちですが、本記事を通じて両者の違いと共通点を理解していただけたと思います。

過去にXEMを保有していた方は、Symbolプロジェクトの動向にも注目してみることをお勧めします。

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